総合的品質管理(TQM)について備忘録
携帯電話の料金値下げ競争が始まった。テレビの「そこまで言って委員会」でのコメントで料金値下げをして、品質が悪くなる=つながりにくいとなるようであれば本末転倒とのことだった。
「品質」について、ネットで調べてみた。以下、ネットの抜粋を記載する。
品質とは何か、
定義:本来備わっている特性の集まりが要求事項を満たす程度
品質の良し悪し
品質には、良し悪しの程度を表す基準となる物差しが、要求してくる評価者の価値観により異なってくる。
要求の例は、
‐家電製品なら
「どのくらい長持ちするか=耐久性や故障のしにくさ」
「機能の有無」
‐機械部品なら
「部品の寸法や精度」
「強度」
‐食事なら
「おいしさ」
「栄養価」
つまり、品質とは、このような評価者の様々な要求をひっくるめて良し悪しを示す度合いとなる。品質はそれ単体では基準を持たず、「他の何か=要求」と組み合わせることで基準を得ることになる。品質を箱に例えるなら、その基準は箱の中身=要求に依存する。
品質が人によって解釈が異なる理由は、「見た目は同じなのに、基準がまったく違うことがあるから」である。
あくまでも特殊な例として、品質自体に単位はつけられないが、ミシュランガイドの格付けは☆印(三ツ星)で評価している場合がある。
立場・役割の違いによる、品質の解釈の違い
仮に同じ製品を対象にしていても、その人の立場・役割によって、品質の意味・解釈が異なる場合がある。箱やその中身が同じでも、注目している中身の要素が異なっている場合だ。そのため、品質と言うときには、相手が品質の箱の中のどの部分を指しているのか、を考慮する必要がある。
そうしないと、同じ品質と言う言葉を話しているのに、片方は味付けのことを、もう片方はテーブルでのサーブの仕方を反しているということにもなりかねない。これでは話が合わない。
顧客視点の品質と提供者視点の品質
顧客が「おいしさ」という要望を持ってきたときに、提供者側は何ができるのか。もちろん、顧客の味覚そのものを操作することはできない。提供者側が操作できるのは料理であり、その料理を形作る要素(味付けや素材の鮮度など)だ。
顧客の求める品質を実現するためには、製品側でその品質を代替えする要素に置き換えコントロールする必要がある。
本来備わっている特性の集まり(味付けや素材の鮮度など)と要求事項(おいしさ)をどれだけ、合致させられるかというのが「満たす程度」ということになる。
食事の品質
最低限求めたいものとして、「安全」がある。次に「栄養価」さらに、「おいしさ(味)」や「見た目」がある。さらに、「店の雰囲気」という付加価値や「健康に良い」という機能追加も求められる。
従来の意味合いでの(製造業など)品質とマーケットなどにおける広い意味での品質では、解釈や意味合いの幅ができてしまっている。
TQM(Total Quality Management)とは、もともとQC(品質管理)から出発したものだが、品質の持つ意味合いの変遷により、会社=企画や設計などの上流工程や、販売・サービスなどのユーザに近い工程にまで拡大したのがTQM=総合的品質管理だ。
1)3つの対象
企業の最小の構成要素である「ひと=個人」レベルから、ひとが集まる実質的な事業レベル「しごと=業務プロセス」、それらを束ねる「しくみ=組織、システム」までを対象とする。それぞれを対象とすることで、個人と組織が連動した全体的な体質改善が可能となる。
2)3つの視点
3)3つの特性
3つの対象の詳細を以下に示す。
しくみ:各プロセスに共通な取り組みや部門間にまたがる取り組み、また会社の方向性の決定と業務への展開など「しくみ」のQualityを高める
しごと:統計手法や言語データの整理法などを用いることで、それぞれのプロセスで最適な運用方法を求め、その維持・向上を通じて「しごと」のQualityを高める
ひと:物事への視点や捉え方、思考フレームや手法の習得を通じて、合理的に物事を
考え、行動できる人財を育成することで「ひと」のQualityを高める
TQMにおける「しくみ」と「組織的アプローチ」
TQMにおける「しごと」と「プロセス重視」
TQMにおける「ひと」と「科学的アプローチ」
TQMには様々な要素があり、しくみ、しごと、ひとの連携、組織的アプローチ、プロセス重視、科学的アプローチによる効果の拡大により、顧客的思考、人間性尊重、利益創出の視点が実現されることになる。
品質保証と品質管理
品質保証:主に製品が完成して顧客に納品した後の対応。
※単にクレーム処理をするだけでなく、顧客の反応から現状の商品
の課題や顧客ニーズをはっけし、それを各部門に反映することで
品質の底上げを図る。
品質管理:製品が完成するまでの段階。
※いかに不良品を出さないかが重要で、製造現場の改善を通じて品質
の確保に貢献する。
注意:業務内容っや立場は異なっていても、品質保証と品質管理の根幹は同じ。どちらも自社製品の品質をより良くし、会社として顧客や社会に対する責任を果たすことが目的。「買い手」側「作り手」側の両方の視点から品質の在り方を考えることが大切だ。
ここからは、信頼性と安全性のネット調べ。
信頼性・安全性を混同してはいけない
安全性:装置が故障した場合を含めて、人間に危害を加えない性質
(危険でないか?)
信頼性:長い期間、装置が機能を継続できる性質
(長持ちするか?)
「装置が正常に機能しているうちは安全だが、故障した場合に危険な動作をするかもしれない」、「装置はしばしば故障するが、その場合でも危険な動作はしない」
ここまで。
品質、安全、信頼について記載した。
企業として、ユーザ要求にこたえるために、品質を確保し継続して提供できる仕組み(プロセス)作りおよび改善(PDCA)をしていく必要がある。そのためには、危険なものを与えない=安全であり長持ち=信頼である必要がある。
現状は
単純に故障だからと言ってユーザが「はい、わかりました」と理解してくれるわけがない。また、装置の終末期では、ベンダ側も故障原因の対応をしてくれるわけでもなく新しい別の装置を購入してくれと言うだけだ。装置数が少なければよいが、導入数が多くどれだけ導入しているのかという話になれば影響は大きい。
外国に比べ日本人は、ちょっとした故障に対しても企業ユーザからのクレームが激しく即時対応は必須で報道発表にもなりかねない。
品質が良いのはいいが、良くて当たり前の風潮は技術者泣かせでもあると感じる。