メタ視点の備忘録
メタ思考トレーニングの本を読んだ。備忘録。
まず、自らの思考の隔たりや視点の低さをチェックし、自らをもう一つの高い視点(メタ視点)で見ることから始める。(気づきの難しさ)
一つ上の視点から見ると矛盾が見えてくる
世の中には構造的にどうしてもお客の立場にはなれない(その経験ができない)職業というものがある
例えば、
・男性の産婦人科医
・凶悪犯担当の弁護士
※経験しないと、できないのか。知識、知見、経験談などのノウハウを蓄積、従事者との関係を密にして連絡が取れる環境で資格試験をクリアすれば一定基準をパスしているので実際に体験しなくてもなれる。その逆で、例えば、今まで経験したことがない業務を一人に押し付けられても、知識、知見が乏しい環境だとなれない。
メタ思考
「上位思考で考える」「抽象化する」これによって、能動的かつ創造的なアイディアの創出が可能になる。
身の回りで理解できない価値観の人や事象に出会った経験を思い出し、それを否定するのではなく、どのようにしたら理解できるのか、あるいはそこから新しいアイディアが生まれないのか考えてみましょう。
上位目的で考える意味
上司から「ドローンについて調べて報告してほしい」と言われた後のアクションは?
「なぜ、ドローンについて調べる必要があるのか?」問題そのものを一度疑問を呈して、依頼そもそもの目的を確認する。
「その調査結果を何に使うのか?」依頼主に確認してみる
→思考回路が具体性、実行重視のHOW思考か、目的重視のWHY思考(メタ思考)かのチェックになる。
要するに、与えられた問題を疑わずに「それありき」と考えてアクションを起こし始めるのか「そもそもこの問題でよいのか?」と疑ってかかるかの違い。
真の目的を考えたらそもそもやるべきことは他にあると「そもそもの問題を定義しなおしてしまうこと」、つまり、新たな問題を発見すること。
※与えられた問題を疑わずにするよりも、疑ってかかる方が良いとは思う。そのためにも、自分で知見、背景を把握して予め学習していないと依頼主からの言いなりになってしまう。
もう一つの目的は、問題そのものはありきとしても、その問題の解決の仕方、どの部分が優先順位が高く、どの方向に解決すべきかを示唆してくれるということ。
ドノーンの問題でいけばその調査の目的によって、どういう用途向けのことを重点的に調べるべきなのか、ビジネスへの用途を考えるべきかという点を教えてくれる
WHY型思考は相手の依頼をすぐには実行せず、一度立ち止まって考えるので「時間がかかる」のが弱点だ。考える行為そのものがそういう性質なので仕方がない。
なぜですかを露骨に連発すると煙たがられる。
※一度立ち止まって考えることは、時間を要す。依頼主に聞いても、具体的な回答を得られない可能性あり。依頼主は単純に現状把握をしたいと思っているだけかもしれない。回答がすぐに見つかればいいが、例えば、昔から知っている人でいないとわからないのであれば把握できない現実もある。知っている人を探すにも時間を費やす。一体、どのくらい時間を費やすことになるのか不明となる。全てを把握することが困難な場合は、ある程度、妥協もしくは、仮想化して考えを導き時間ロスを防ぐ方が助かるし、依頼主に納得してもらいたい。
情報収集には必ず、「集めた情報をどうつかうのか」と言うその先の目的があるはず。ここで必要なのは、限られた情報で仮説を立てること。
相手側の立場に立って、次のアクションを想定した上で依頼されて内容に取り組めば位歩先を読んだ形で相手のニーズに応えられる確率が上がる。
※情報収集にも時間を要す。依頼主の目的も曖昧な場合もある。ある程度、妥協もしくは、仮想化して考えを導き時間ロスを防ぐ方が助かるし、そうしてほしい。
「数字のことしか語れない」というのは実は思考停止の典型的な症状です。
数字で語ることが重要なのは、「誰にでも納得性がある」からで、逆に言えば「誰にでも理解できる」こと自体が思考が止まっている人でも理解できることを皮肉にも意味している。
「次回への反省」
いかに上流で客先の人間関係や意思決定のプロセスを調べておくか、あるいは情報収集や上司への根回しをいかに入念にやって価格重視のコンペに持ち込まないかと言う方策がでてくる。
「現場のいいなり」で作った商品が必ずしも売れるかどうかは疑問だ。
※全て現場のいいなりになるのは、よくないが、良い点もあるので必要に応じて取捨選択すればよいと思う。現場経験がないのであれば、耳を傾けるべきであり、知らないより知っていた方が良い。その情報も今ではなく、今後どこかで必要になる可能性もある。
そもそもなぜ、特に自分自身のことについては視野が狭くなってしまうのか。その一つの原因は、物事を具体的なレベルでしか見ることができておらず、抽象化して「メタの視点で見る」ことができていないから。
仕事の中でルーチングワークの割合が大きければ大きいほど考える必要がなくなってくる。つまり変化が起こらず、「滞留した水が濁って」いって組織の活力も奪われていくという構図だ。
以下、「手段であって目的ではない」ことを常に肝に銘じておくべき
・調査/分析/調整/レビュー
調査/分析/調整/レビューそのものが目的ではない。その先その結果を何に使うのか
※分析もさじ加減で結果をどうにでも表すことができる。確かに、分析結果を何に使うのかどうしたいのかまで考えないと、「天に向かって唾を吐く」ことになり、自分に戻ってくるので注意する必要がある。ただ、分析をする目的は何か、そもそもの施策の目的は何かを押さえて達成できていないのであれば、何故どこが達成できないのか原因分析することになる。
・管理
「管理が目的化」していないか。そもそも何のために管理か考えたことはあるか
※進捗管理もそうだが、業務内容の進捗だけを管理するのか、在宅勤務社員の体調管理はしないのか、何を管理するのか、不足はないのか、都合の良い管理になり形骸化していないかチェックする必要がある。
・システム導入
「手段の目的化でプロジェクトがよく迷走する。」そもそも「あのシステムは成功(失敗)だった」というのも本当に「当初の目的に対して」になっているのか
・統合
会社でもシステムでも統合そのものが目的になっているプロジェクト、死ぬほどある。
※業務集約しかり、人業一体ならまだしも、業務引き継ぎもされず「後よろしく」状態で混乱することがわかっているのに担当者任せの放置状態がよくある。
・見える化
これもよくある手段の目的化、「見える化」していったいどうしたいのか
※タイムスケジュールなど複雑で数多くある工程時間を図を用いて見える化することなどは分かりやすいし、説明に役立つ
問題:「昔ながらの喫茶店」の競合はどこか、何だったか?
検討ステップ1
まずは昔ながらの喫茶店に行く目的を考える
例:コーヒを飲む、暇をつぶす
検討ステップ2
各々の目的の仮説に対して、「別の手段」がないか、喫茶点業界以外の選択肢を考えてみる。
例:「コーヒを飲むなら」コンビニで買う、家で自分で作る、コーヒマシンを利用する、「暇つぶし」なら、スマホのゲームやLine
【解説】喫茶店に行く行為一つとっても、実は様々な目的を持っていることがわかる。「快適に時間を過ごしたい」「他者とのコミュニケーションをうまく行いたい」
といった上位目的は、そう簡単に変化するものではない。メタ思考で考えるというのは「簡単には変わらないもの」に立ち戻って代替え手段を考えていくこと。
東京都心では、昔ながらの喫茶店を見ることはなくなってきた。これを単純にコーヒーチェーンが台頭したからという動きだけでとらえるとお客をどこにとられているか見誤ることになる。
目的として想定される「暇つぶし」「待ち合わせ」と言った大部分がスマートフォンで代替え可能になっていることにも改めて気づかされる。
※ポイントは、上位目的の「簡単には変わらないもの」に立ち戻って代替え手段を考えていくこと
アナロジーの重要性
・1つ目は現状にとらわれない新しい発想ができる
変化が激しい環境下で過去の経験やデータのみに頼って方向性を決めることは、時代に取り残されるリスクがある。
※過去の経験、つまり背景などは必ず聞かれる。過去資料もなく、知っている人がいないと時間を費やす。過去データに頼ることはないが、把握は必須。全てを把握することが難しいのであれば、依頼主に一定の納得をしてもらう必要がある。
・2つ目は、抽象化によって新しい概念を理解することができるようになる。何かに例えることで理解を容易にすることができる。
・3つ目は、複雑な事象を他者に簡単に説明するため。
※一番の理由は、2つ目と3つ目だと感じる。シンプルに考えるようにし、シンプルにしたものを図に表し説明する。
問題:自転車の乗り方を覚えたときの教訓から、他の学びに応用できないか考える
「どんな事象があったのか」なるべく具体的に書くこと。良いアナロジー思考は、具体と抽象のギャップが大きいこと。
・父親に支えてもらった
・補助輪を一つずつはずしていった
→左右のバランスを調整する
→英会話の学びにすれば「スピーキングとリスニング」
※ポイントは、「補助輪ならではの特徴をギャップの大きな抽象化」し、左右のバランス調整へもっていくこと
・下り坂、平らな坂、上り坂
→ヒアリングを0.5倍速、1倍、1.5倍で練習する