失敗学の備忘録
医療事故、ヒヤリハット対策をどのようにするかの備忘録です。
人間は昔から、同じ失敗を繰り返してきた。歴史は繰り返される。
失敗を未然に防ぎたいのであれば、過去の失敗から学ぶことが一番賢い。
⇒要点の置き換え:過去発生した医療事故、ヒヤリハットを例にして実施
「成功に学ぶ」「失敗に学ぶ」の考えを取り入れて、ダブルチェックなどの手間を減らして効率よく、失敗もしない仕事の進め方をするのがベストである。
似たような失敗を繰り返すのは、もぐらたたき状態だ。打っている対策に効果がない。失敗行動に対してチェックせよ、確認せよ、手順書を作れということは数多くのチェックリストができあがってしまうことだ。チェックリストはいつかはすり抜けるもの。
人間がはまるワナは多くない。
ヒヤリハット報告も発生したシーンでしか使えない報告だと役立たない。
広い範囲で成り立つ話にする必要がある。
例:人口呼吸器の取り扱いマニュアルの一行目に「病室で所定の場所に人口呼吸器を置いたら、いの一番にコンセントをさしなさい」と、他の行よりも格段に大きな文字で書かれている。
ただし、これだけではワナを避けて通れない。
なぜなら、人口呼吸器にはバッテリが内蔵されている。コンセントを指し忘れてもスイッチを押せば、なんと人口呼吸器は動き出す。
つまり、
「動いているからコンセントはさしてあると判断すると、バッテリに騙されて、人口呼吸器は止まる」
となる。(知らなかったではすまされない)
「失敗に学ぶ」ということは、やってはいけない行動やワナを教えること。
そのワナを明確にしてみんなで共有し、二度とはまらないようにすること。
動機的原因(起):顔と返事でBさんと思った
失敗行動(承):看護師がある患者にBさんの薬を渡したから
今回のワナ(転):ベッドから離れたらもはや患者の識別不能だったので
不具合事象(結):食堂で配薬ミスのヒヤリハットが起こった
【下位概念(事例)】
動機的原因(言い訳)(起)
失敗の定義(人間の行動)(承)
中位概念(転)
不具合事象(結)
※:動機的原因と失敗の定義は「なぜならば」でつながること
【上位概念(知識)】
失敗のカラクリ(ワナ)
成功のカラクリ(対策の概念)
⇔失敗のカラクリ(ワナ)を明確にし、上位概念化することで別事象に想定することが可能である。
失敗のワナを明確にする方法は「起承転結フレーム」を活用することで、不具合事象の分析と対策立案を誰でも作成できる。
⇔つまり、失敗原因のフレームを活用し分析と立案
上位概念化すること。
上位概念化することで、医療界を含め産業界でも大いに役立つ話に変わった。
失敗のカラクリ=
今回のワナの上位概念:「本体とラベルを分離したら本体識別不能」
※:看護婦さんが患者さんの名前を呼べば、解決するのか → 同姓同名がいたらどうするんだという話
失敗のカラクリから、再び未来の不具合事象を想定する。
それには、上位概念から下位概念へと考える(具体的にすればこんなことも考えられるはずだ、、と洗い出す)
・血液検査のとき
・人口受精のとき
・手術室につれていくとき
失敗のカラクリがわかっていないのに対策を打てるわけがない
失敗のカラクリから
・失敗のカラクリを導けたからこそできる未来の不具合を想定できる
・具体的な再発防止策と未然防止策
⇔失敗のカラクリをもう一度確認し、未来の不具合を想定してみる。
成功のカラクリ
どの考えをマニュアルに各のが成功のカラクリである。
本体にラベルを付けておけ
事故が発生して、マニュアルを作って作成しても意味がない。
何をマニュアル化するのかが重要
⇔失敗のカラクリからの対策および新たに対策が必要なものはないか今一度
取り組む
問題は解決し、課題は達成する
・「問題」は「解決」すべきもの、「望ましくないもの」
・「課題」は「達成」すべきもの、「望ましいもの」
※問題を解決するために、原因分析を行う。
例:
・「溶接において変形してしまうこと」が問題
・「溶接において変形させてないこと」が課題
・「溶接をやめてボルト締め構造に設計変更すること」が課題
参考文献
失敗学実践編 平山貴之・濱口哲也
抽象化、一般化の備忘録
仕事でパワーポイント資料を作成する際、リード文に記載する内容でアピールしたい内容を抽象化するにはどうしたらよいのか調べてみた。
(資料を説明するにあたり、「キーメッセージは何か、一言でいえば何か」を伝えるにはどうすればよいかを考えてみた)
そもそも、抽象化とは、
その人やその状況において、その人が「最善だと思う選択肢」のみがあり、それをどこまで自分で信じられるかどうかで、それが、「正解」になるかどうかで決まる。
(同じ一つのものでも抽象化す方向は一つではなく、複数通りある。目的に応じて異なる。都合の良いように切り取る)
参考までに抽象画というと、
ピカソが描く「抽象画」が語られる場面は、多くの人が持つイメージは「訳がわからない」ということ。(わかる人には、わかるのが不思議だ)
もう一つが、あの人の言っていることは抽象的でわからない。結局、何をしたいのかわからない。
理解できない = 抽象 になっている。
しかしながら、
一度抽象の世界が見えてしまった人からは、具体的な話は一言で済む話も、同じことを何度も繰り返して説明をしている印象を与えるようだ。また、関係性をもとに本説明資料とは別事象について想定が可能となるようだ。
例えば、娘の部屋を見渡して、本は本棚へ、おもちゃはおもちゃ箱へ、鉛筆は筆箱へ返して、、、
要するに、「部屋の中を片付けろ」ってことだ。(これくらいだったら、わかりやすい)
さらに、関係性をもとに「片づける」ってことは、部屋掃除以外で、スマホで撮影したデジカメ写真も容量が一杯になっているのであれば不要なデジカメ写真も整理(片付け)した方がいいのではないか。とか関係性をもとに応用を利かせる。
具体的に書きすぎるとそのまま実行することしかできない。それを絶対的なもとして扱われ、応用ができず、環境の変化に対応できない。
それに比べて、抽象にして応用をきかせることで「言われていない」ことまでを能動的に実施できる。
抽象化(まとめる力)についての羅列は、以下のとおり。
・抽象概念は、異なるもの同士を統合する。
・抽象度が上がれば上がるほど一般的になり、具体性が上がれば上がるほど特殊な個別の事象になっている。
・具体から抽象に上がるにつれ複数のものをまとめ、シンプルになるので抽象レベルが高い事象になればなるほど理解できる人数が少なくなる。
・抽象化することは事象そのものから離れて、俯瞰すること。
(具体になればなるほど情報量も多く複雑になり見る範囲も小さくなる)
・抽象化は数多い情報の中から特定のものを抜き出し、不要なものを捨てること。
(本質は、目にみえにくく、シンプルで重要なこと)
・抽象化は「言語化・図解にする」こと。
(事象の関係性を単純に表現することが目的で、大胆な捨てることが必要)
・抽象化を考えるためには、「なぜ、それが必要なのか」「その意味するところは何なのか」と問いかけることで抽象レベルの意味合いを抽出し、新しい規則を生み出す。
・具体と抽象のレベルを合わせないと話が発散する
(東京からすれば、福岡も大阪も西日本だが、大阪からすれば福岡は九州なので気質が異なる、一緒にするなと言われるかもしれない)
・個々の要素の一段上のレベルで意味ある塊をみつけること
(インターネット⇔PC)
・抽象化とはまとめて一つにすること、関係性(共通点)を見つけて構造化すること
(隣との関係性、共通点の洗い出しまた、その隣との関係性を見つけ全体を俯瞰すること、構造化し、一段階、上位にステップした言い方を決めること)
共通点の探し方
具体的な方に注目し、片方の注目点を列挙し、その共通点が他の一方に当てはまらないかをチェックする。
→例:共通点は実際に使わないものが大量に生産され、消費されている
結論は抽象化と具体化は事象がつながっていて同じ構図でできているので抽象化(一般、集合)と具体化(特殊、個別)を考慮して考えた方がよい。
資料作成に当たり、キーメッセージ → 構成・目次 → 文章の順序でとりくみ抽象化を織り交ぜていく。
例:ピラミッド型(ピラミッドストラクチャー)
上(結論) → 下(根拠) (なぜ、そういえるのか?:why So?)
下(根拠) → 上(結論) (だから、何なの?:So what?)
結論:自社はカジュアル市場に参入すべきだ
Why So?:なぜなら、自社にとってカジュアル市場は魅力的な市場だからだ
なぜなら、カジュアル市場は自社の投資判断基準を超えるからだ
根拠:自社にとってカジュアル市場は魅力的な市場だからだ
カジュアル市場は自社の投資判断基準を超えるからだ
So what?:よって、自社はカジュアル市場に参入すべきだ
参考文献
細谷功 (2020) 『「具体⇄抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問』
アンケート(質問)内容の考え方
習熟研修の取り組みで社外講師による講演セミナーを開催する際、受講後のアンケートを作成しろと言われて悩んだことがある。
実際、どのようなアンケートにすればよいのか調べてみた。
一般的なアンケート調査の目的は何か
例えば、顧客満足度調査であればサービスや商品の改善に活かす目的があるはず。
政治・選挙のアンケートであれば得票率の改善が目的かもしれない。つまり、アンケートを行う目的はそれぞれ異なるが、何かを改善したいという意図が多いようだ。
目的(課題の改善)が明確なアンケートは確度(確実さの度合い)が高まる
課題の要因は様々な可能性が考えられるため、正確に調べようと思ったら、あらゆる情報を広く、浅く収集するしかない。しかし、調査仮説が立てられると、どこに焦点を当てて調査を実施すべきかを絞り込むことができ、調査の方向性が定まる。
仮説検証(仮説を立てて検証しながら、問題点や解決策のあたりをつける)
・課題解決に向かうための「仮説」を立てる
仮説が正しいのかを検証するため、仮説から逆算してアンケート項目を作成する
つまり、
1.目標設定が明確にできているか
2.目標達成をするための課題設定ができているか(状況の観察・分析)
3.その課題を解決するための「仮説」が立てられているか(仮説の設定)
4.仮説が正しいかどうかを検証するために、「知るべき事実」は何か(仮説の検証)
5.その事実を知るために「どんな質問」をすれば良いか
精度の高い仮説を立てられる人は、日々の経験から「ああなれば→こうなりやすい」という「法則」を自分の頭の中にためこんでいる。そのため、早い段階で仮説を立て、それが正しいかどうかをスピーディに検証し、間違いに気づいたらすぐに起動修正し、改めて別の仮説を立てるようだ。
起こった事象:売り上げが落ちた
法則の当てはめ:買う人が減った→売り上げが落ちる
仮説:売り上げが落ちたのは買う人が減ったからに違いない
「売り上げが落ちた」事象にの法則は、他にも「商品単価が落ちれば」「購入頻度が減った」などが考えられる。
分解して考える切り口の仮説を整理し、論理的妥当性のある仮設を設定する必要がある。
「買う人が減った」ことを仮説にするのであれば、データを収集して仮説の真意を確かめる。(やってみないと分からないような問題の場合は、実験的に仮説に沿って進めると真意を確認できる)
どんなアンケート(質問)をするかは、「なぜ、そうなったのか」「この問題の原因は何か」と言った視点で因果関係を掘り下げる質問を繰り返すことだ。
例:「買い物は週何回いくのか」「買い物する頻度が多い店はどこか」「当店で購入する頻度はどれくらいか」「当店の買い物に対する不満事項」
アンケート(質問)内容は、以下のように整理するとよいかもしれない
〇キーワード作り
〇似たものを集めてタイトルをつくり項目を分類する
〇その関連の図式化を行う
ゴール(その情報をどのように活かしたいのか)が明確であれば、アンケートの目的(課題の改善)も鮮明になる。